小学生から高校生くらいの子どもの胸にしこりができ、押すと痛むことがある。女子だけでなく、男子にもよく起こる。病気の心配はないのだろうか? すずきこどもクリニック(和歌山県新宮市)の鈴木幹啓院長に聞いた。
◇病気の心配ほぼない
成長期にできる胸のしこりのほとんどが、第二次性徴に伴う乳腺の発達によるものだ。乳腺は乳房の内側にある管状の器官で、女性では母乳を分泌する役割がある。一般に女子は10歳前後から乳房の発達が始まるが、人によって乳房が膨らんでから乳腺が発達する場合と、乳腺が先に発達してから乳房が膨らむ場合とがある。
「だいたい半々の割合ですが、後者の場合にしこり(発達した乳腺)が目立って気付きやすく、病気を心配して受診される方が多いです」と鈴木院長は語る。
乳腺の発達は早ければ7~8歳から、通常は左右のいずれかから始まり、やがて両側に起こる。しこりは3~5年程度はなくならないことが多い。
乳がんなどを疑って心配になる保護者もいるが、その可能性は極めて低いという。「しこりが乳輪のすぐ下にあるなら、まず乳腺の発達だと思っていいでしょう。押して痛むのも単に圧迫によるもので、心配はいりません。乳房が膨らんでくると脂肪がクッション代わりになるので、さほど気にならなくなっていきます」と鈴木院長。
第二次性徴の乳房のしこり ~胸を押すと痛む(すずきこどもクリニック 鈴木幹啓院長)~ #3
第二次性徴の乳房のしこり ~胸を押すと痛む(すずきこどもクリニック 鈴木幹啓院長)~ #2
第二次性徴の乳房のしこり ~胸を押すと痛む(すずきこどもクリニック 鈴木幹啓院長)~